大手、大手子会社、ベンチャーや役所など、世の中には様々な組織が存在しますが、働く上でどのような違いがあるか、皆さんはご存じでしょうか。
一般的な違いについてはよく転職サイト等でも解説されていますが、実際に働いてみた実体験をもとに、私自身が感じたことをお伝えしていければと思います。
実はこの組織による違い、ご自身のキャリア形成に大きく影響を及ぼします。
大手企業(東証一部上場)で働いた印象
まず大手企業とはどういった組織を指すのか。
業種によって異なるのですが、ざっくりと言うと多額の資本金と従業員を雇用する企業を指します。上場の有無は関係ありません。
私が新卒で入社したのがいわゆる大手企業でした。
当時は他の会社を知りませんでしたので、特徴という特徴がわかりませんでしたが、今振り返ると次のような点がよくある大手企業としての特徴ではないでしょうか。
・細かく役割が定められた縦割りの組織構造
・職場の環境が整っている
・福利厚生が整っている。
全ての大手企業が該当するという訳ではないでしょうが、こういった傾向が多いのではないでしょうか。
キャリア形成をしていくという観点で見たときに、着目すべきは「細かく定められたて割の組織構造」という点です。
普段働いているときや、大手→大手へ転職するときには、この組織構造というのはポジティブに働くことが多いです。
普段働いているときという点では、自身の関連業務のみに専念して取り組むことができます。もちろん最低限の事務手続き等はあるでしょうが、他の部署がやるべきことなのでは?と感じるような業務を任されることは少ないでしょう。
また、大手への転職となる場合には、似たような組織構造となっている可能性が高いため、働き方、動き方とう点においては馴染みやすいという点でポジティブな評価を得られる場合があります。
一方で、異なる組織構造のへの転職となるとどうでしょうか。
それぞれの組織構造の特徴についてはこの後に説明しますが、大手企業ほど組織構造や人員面で充実していることはほぼありません。そのため、大手企業で自身の業務に専念できていたことが、雑務等も自身でこなしていかなくてはいけなくなります。
特にベンチャーへの転職をする場合は顕著にこの傾向はみられます。ベンチャーの場合は、職場環境だけでなく、制度等も整備されていないことが珍しくなく、今まで気にしなくてもよかったことに、意識をしていく必要があります。
そういった働いてきた環境が違うと、転職時にネガティブな印象を持たれてしまうこともありますし、実際に転職した後に想像していたのと違ったとし、苦労される方も多くいらっしゃいます(これは転職エージェントとして支援していたときの経験です)。
大手子会社
その名称通り、大手企業の子会社です。
大手企業の資本が入っていますので、職場環境や福利厚生などは、同程度の規模(中小等)の一般的な企業と比較すると恵まれていることが多いかと思います。
・管理職は親会社からの出向でだいぶ埋まってしまう
・数年単位で社長が交代し、その社長の方針次第で大きく変わる
私が在籍していたのは大手商社の子会社で、親会社に近しい福利厚生等が整備されていたため、総合的な待遇面は在籍していた大手企業よりも恵まれていました。
ですが、私の場合は、他2点の特徴が大きくネックとなり、転職を決意しました。
まず、これは子会社の宿命なのですが、親会社から出向してくる社員が一定数います。若手の社員が来ることもあれば、管理職として出向してくることもあります。私のいた企業では、特に後者が多くみられました。そのため、どうしても限られたポストを出向者が多数を占めてしまうため、プロパー社員が昇進できる数はかなり限定されてしまいます。
昇進する気がない方にとっては、気にもならないかもしれませんが、将来的に管理職に就くことを目指している方にとっては大きな問題となります。
そして、社長の交代も、一般的な企業と比較すると定期的に行われます。私の在籍していた企業では、方針が真逆の社長へ交代したということもあり、劇的に事業運営に影響が出て、かつての社長の方針に賛同して入社した社員の多くは社長交代後に転職して去っていきました。私もその一人です。
このように、入社したときの志や目標次第では、長期在籍することが苦しく感じてしまう方もいるかと思います。
これは各企業によって状況は異なるかと思いますので、子会社への転職を検討している方は、なるべくその企業の内情について調べるようにしましょう。
私は、企業の内情を確認する際の参考として、よくOpenworkというサイトに登録して確認していました。
ベンチャー
ベンチャー企業とは、いわゆる新興企業として新たなマーケットを切り拓こうとしている企業を指します。その中でも規模が大きくなったベンチャー企業をメガベンチャーと呼びます。
私はメガベンチャーとベンチャー、両方に所属した経験があります。
・若い企業のため、社内環境が整っていない
・若くして責任ある仕事を任されるケースが多い
・福利厚生がほとんどない
まず一つ目の社内環境について。
大手の場合では、総務担当者がいて、入社するときにはある程度仕事をする環境を整えてくれています。ですが、ベンチャーの場合は、まだ人員が少なく、自分で担当業務以外の雑務等を幅広く行う必要があります。
私の場合は、初日に初期化されたPCのみ付与され、諸々の初期設定や各種システムの登録等を自分で行いました。大手の場合は、ある程度準備を企業側でやってくれていたため、個人的にはかなり衝撃でした。
二つ目について。
ベンチャー企業の場合は、まだ人員が十分に揃っているわけではなく、部署もどんどん新しく立ち上がっていきます。そういった背景もあり、ポストが空いているケースが多くみられます。そのため、20代でマネジメント職を任されることも多くみられます。マネジメント職に就かずとも、任される仕事の範囲が広いため、裁量を持って仕事をしていきたいという方には刺激的でかつ成長できる環境となっています。
三つ目の福利厚生について。
これは一つ目の社内環境で挙げた理由とほぼ近いのですが、人員が不足していることや、まだ十分に収益をあげられていないこと等の理由から、福利厚生は最低限のものしか用意されていません。ベンチャーに入社する場合は福利厚生は会社の成長とともに充実していくものという認識でいた方がよいでしょう。
まとめ
今回は私が経験したことのある民間企業の規模別の特徴を簡単にまとめてみました。
ここで挙げた特徴というのはごく一部ですし、全ての企業に当てはまるという訳ではありませんので、ご了承いただければと思います。
ご自身のキャリア形成に合わせた企業規模を選択することは、転職において重要な要素の一つですので、ご参考となれば幸いです。
コメント